繰り返し、変化する
気功では、簡単な動きを繰り返し繰り返し、行っていきます。
身体を揺すったり、ゆらゆら揺らしたり、腕をゆっくり回したり、など。
ひとつひとつは単純な動きですが、この「繰り返す」というのが、大事なコツです。
たとえば身体の硬いところ、凝っているところ、長年の癖や歪み、動きの悪いところ、など。
そういったところも、強い力で一気に変化を起こそうとはしません。
微かな動き、柔らかな動きを繰り返しながら、心地よさを広げ、沁み渡らせていきます。
繰り返すごとに身体は緩んで、本来の柔らかさやしなやかさをだんだん取り戻していきます。
こうした練習を淡々と続ける中で、いつの間にか心も身体も自然と奥から変化していくのです。
涓滴岩を穿つ、ということばがあります。
ぽつりぽつりと滴る水のしずくも、長い時間落ち続けていると岩に穴をあける。
気功を続けていると、ときどきこのことばを連想することがあります。
小さなこと、些細なことの繰り返しが、やがて大きな変化に繋がる。
これは気功の練習を通して、体得できたことのひとつです。
小さなこと、些細なことに宿る力を信じられるようになりました。